「モアナと伝説の海」のモアナとマウイの関係と、恋にならないのはなぜなのかを考察しました。
・恋にならないことで見られるキャラクターの「成長」
モアナとマウイの関係
モアナとマウイの関係は仲間です。困難を乗り切った同志であるとも考えられます。
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— Disney (@Disney) January 4, 2018
モアナはマウイとともに冒険し、多くのことを学びます。
また、明らかにマウイのほうが体が大きくて力強いのでマウイが「モアナをピンチから救う英雄的存在」のように見えるし実際にそのような場面もあるのですが、モアナもマウイにとって「救済」「大切なことを教えてくれた人」として描かれています。
ここまでだと、過去のディズニープリンセスの作品でもいわゆる「ヒーロー・または王子」と「プリンセス・または女の子」の仲にも共通するものがあります。
たとえばラプンツェルでも、ユージーンがラプンツェルを助けるという一方的な構図ではなく、ラプンツェルがユージーンを助けている関係でもありますよね。
なのになぜモアナとマウイが過去のディズニーの男女のように恋にならなかったのか、これから考察します。
モアナとマウイが恋にならないのはなぜ?
お互いが大切な相手で情も芽生えているモアナとマウイですが、恋にならないのはなぜなのかを考察しました。
「モアナと伝説の海」は2人を恋愛的なパートナーとしないことで、ほかのディズニー作品とは違ったテイストに仕上がっているとも言えます。
モアナとマウイが恋にならないのは○○が違うから
モアナとマウイは男女なのに恋にならないのはなぜなのか、映画をみると疑問に感じる点ですね。
理由としては、そもそもマウイは1000歳を超越した「半神半人」なので、人間を超越している一方でモアナは「普通の人間の女の子」なので、2人は種族が違う、ということがあります。
なので単純に考えてしまえば、お互い「恋愛の対象」として最初から意識することはない、とも言えます。
今までのディズニー映画は分かりやすくプリンセスとその相手は恋仲になる・またはふつうの女の子が王子と結ばれるのパターンがとても多かったです。
2人の出会いなどを見ていると、マウイはモアナにいじわるしつつもなんだかんだ世話を焼く⇒モアナにとってのマウイの第一印象は最悪だけど徐々に仲が深まるという様子は少女漫画の恋愛っぽくもあるのですが…。
モアナとマウイが恋にならない理由(ネタバレあり)
なぜモアナとマウイが恋にならないのか、理由としてもうひとつ大きいのは作品が「モアナの成長」に焦点を当てているからだともいえます。そしてマウイは常に「英雄」を目指していているので「1人の女性のパートナー」になるのは違うのかとも捉えることができます。
映画の最後にモアナは「わたしの村にはあなたが必要だから、いっしょに来てほしい」とマウイに頼む場面があります。
けど、マウイはモアナに「きみが村にいれば大丈夫だよ(俺の力は必要ないよ⇒きみは立派に成長したよ)」という意味合いのことを言って、モアナに別れを告げます。
ここで「こんなに仲いいならいっしょにいればいいじゃん!お別れなんて悲しい!!」と思うのですが(別れのシーンはキャラクターの表情に「名残惜しさ」と切なさが入り混じっています)、モアナの自立と成長が「認められる」という描写にするためにもお互いが離れることが必要だったのかなと考察できます。
また、マウイは第一印象からして力持ちで豪快!なイメージが強いのですが、実は「英雄として認められたい」という気持ちが大きかったり、こどものころ捨てられた過去が影を落としていたりと繊細さのあるキャラクターでもあります。
マウイにとって「誰かに必要とされる・必要とされ続ける」のはある意味「自分がずっと求めていたもの」でもあるので、ここでモアナといっしょに村に戻れば村人から「必要とされる・わかりやすく英雄として扱われる」という部分は達成できます。
でも、そうしなかったのは、マウイがここで「自分を認めてくれたモアナだけに依存しない(執着しない)」というある意味「自立の心」を持ったからなのではないでしょうか。
マウイのからだに「モアナのシルエットの入れ墨」が浮かぶのですが、「モアナはマウイにとって大切な人」というのがあらわれたシーンです。
そのあとの別れのシーンを見ると、お互いにとって恋ではないけれどかけがえのない人だということが分かります。
モアナとマウイの関係は?恋にならないのはなぜなのかを考察 まとめ
モアナとマウイの関係は仲間であり、恋愛感情が発生するものではありません。
それでもお互いにとって大切な人であるというのは映画をみれば分かります。
「モアナと伝説の海」は主人公モアナの成長を描く物語でもあるのですが、同時にマウイの救済が描かれている作品でもあります。